一般的な血液検査とは?

一般血液検査では貧血や炎症などを知ることができ、生化学検査では腎臓や肝臓の異常、脂質異常症や糖尿病を疑うことができます。
また、血液検査から生活習慣病のリスクを推測することができます。
血液検査で知ることのできる項目を見ていきましょう。

・白血球数(WBC)
細菌などから身体を守っている白血球は、抗体を作ったり体内に侵入してきた細菌などを捕食したりする役割を担っています。
赤血球と同じく、多すぎても少なくてもよくありません。
数値が高いと白血病、細菌感染症、骨髄増殖性疾患の数値が低いと薬剤アレルギー、再生不良性貧血、肝硬変、ビタミンB12欠乏症貧血の可能性があります。

・ヘモグロビン量
貧血や出血、多血症を知るための検査でヘモグロビンの数が不足していれば貧血または出血が疑われます。
逆にヘモグロビンが多すぎると、多血症の可能性の考えられます。

・血小板数
出血した時、血を止める役割が血小板です。
数値が低い場合は、白血病や再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、肝硬変のリスクがあります。
数値が高い場合は、本能性血小板血症、慢性骨髄性白血病、鉄欠乏症貧血、慢性炎症などが起こる可能性があります。

・中性脂肪
過剰に摂取したエネルギーは中性脂肪として脂肪細胞や肝臓などに蓄えることで体重が増えたり、体脂肪が増えることになります。
数値が高いと、動脈硬化、脂質異常症、脂肪肝、急性膵炎の原因になります。
数値が低すぎると、肝硬変や低栄養の可能性があります。

・HDLコレステロール
善玉コレステロールと呼ばれ、この数値が少ないと、動脈硬化などの心血管系のリスクが上がります。
数値が高い方がいいと言われていましたが、高すぎても動脈硬化の原因になることも分かっているので、標準値を保つことが大事になります。

・LDLコレステロール
悪玉コレステロールと呼ばれ、この数値が高いと、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞のリスクが高まります。
数値が低いと、脂質異常症の可能性があり、肝硬変、甲状腺機能亢進症、吸収不良、栄養障害の可能性もあります。

・AST(GOT)、ALT(GPT)
ASTは心筋や骨格筋、肝臓に多く存在する酵素で、ALTは肝細胞に多く存在する酵素です。
どちらも肝臓で異常があった場合に増加します。
ASTとALTのどちらも数値も高い場合は脂肪肝、アルコール性肝炎、急性肝炎、慢性肝炎、肝臓がんなどの肝機能障害のリスクが上がります。
ASTの数値だけが高いケースは、心筋梗塞や筋肉疾患などが疑われます。

・γ-GTP
肝臓や腎臓、膵臓、小腸などに含まれる酵素です。
数値が高いと、アルコール性肝障害、慢性肝炎、薬剤性肝障害、胆道炎などの可能性があります。

・空腹時血糖、HbA1c
血液中のブドウ糖がエネルギー源として利用されているかを検査します。
食後に上昇した血糖値が適切に低下するかを知ることが必要なので、10時間以上の絶食が必要になります。
空腹時血糖の数値が高いと、糖尿病、膵臓がん、ホルモン異常の可能性が高くなります。

筋力トレーニングの次の日に血液検査をすると?

AST、CKは筋肉痛を感じるほどの強度の高いトレーニングをすると、高い数値になるのは当然の状態です。
日々、強度のトレーニングをしている方は高い数値が出るため、再検査の通知を受けることが多くなります。
慢性的に高い状態を維持していると、精密検査をして様子を見る可能性もあります。

ALTは基本的に肝臓にしか存在しない酵素のため、肝臓に障害が起きることがあります。
良くあるケースはトレーニングをした後にプロテインを飲む方も多いかと思いますが、こちらを行なっている方は注意が必要です。
一時的に上昇し、落ち着く数値ではありますが、高い状態のままの方は前日トレーニングもお休みし、プロテインも飲みすぎないように気をつけましょう。

UA:尿酸
筋力トレーニング後は一時的に尿酸値は上がりやすくなるので、トレーニング直後に血液検査をして、一時的な高い数値だけであれば問題ありません。

クレアチニン(Cre)、尿蛋白
筋力トレーニング後はどちらの数値も高くなる傾向があるので、毎回のように高い数値が出てしまう方は2〜3日はトレーニングをお休みにして、検査することをおすすめします。
あくまでも、普段通りの生活をして一度目の血液検査で数値が高く、再検査になったら実践してみてください。